2007年09月24日

『未来世紀ブラジル』



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「最悪」「最高」と世間の評価が真っ二つに分かれる作品だろう。私とパートナーにとっては、最初から最後までとてもおもしろい映画だった。ジョージオーウェルの『1984年』が(最後まで含めて)好きな人には強力にお勧め。

情報省と情報剥奪省に代表される徹底した杓子定規・非効率・非人間的な官僚主義社会で、夢見がちな主人公のサムは夢でいつも会っていた運命の女性ジルを見つけるが、彼女は官僚の失策の穴埋めにその存在を消されようとしていた。サムは修理屋兼お尋ね者タトルの助けを得て脱出、そして……

というようなストーリーはさておいて、『1984年』からのインスパイアの端々と、ご都合主義で強引だけどなんか許せちゃうインド映画テイストと、チープ感あふれる夢世界と、ダクトへの惜しみないフェチシズムっぷりと、ブラックな美容整形と、爆発爆発爆発をごっちゃ混ぜにして、勢いでつっ走る監督の映像と音の創造物が脳内に送り込まれるのが楽しい。なお、観てるときは気にならないけど、時間はけっこう長いので、余韻が終わってから疲れがどっと出てくる。

未来社会への警鐘がどうだとか、ストーリーが不鮮明なのでもっとゆとりを考えてくださいだとか、映像がCGじゃなくてチープだとか、あの伏線はどうなったんだとか、暗い気持ちになって絶望したとか、タイトルが意味不明でサンバやサッカーの映画かと思ったらだまされた謝罪と賠償をとか、そういう小難しく真面目に考えちゃう人は本編はまったく向かないので、押井守でも観るほうがいいだろう。



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