2007年11月11日

『アジャイルレトロスペクティブズ』



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「カタカナ化過多」という評価もあるとおり、1文中でカタカナのほうが漢字・ひらがなより多いのではないかという1冊。意味があってのカタカナというよりも、オレとトゥギャザーしてサクセスしようゼという印象を受ける。その上に、ガチガチの硬い文体かと思いきや中途半端に軽い表現が混ざるなど、首尾一貫しておらず、読みにくいという世の評価には賛同せざるを得ない。

さて、レトロスペクティブズ=ふりかえりという意味らしいが、内容としては「いかに建設的に反省会を開催するか」ということになるだろうか。時間を浪費せずに話しやすい場を作り、事案で発生した問題点を収集し、どう対策すべきかを検討し、決定し、参加者に感謝して感想を求め、次回に繋げる。このような会議の繰り返しによって、チームを結束し、状況を把握し、問題解決と成果物の品質向上を果たそうというわけだ。

アジャイルというとなんとなくソフトウェア開発の世界に結び付けたくなるが、本書の内容はソフトウェア開発に限るものではない。というよりも、ソフトウェア開発向けの内容であれば間違いなく紹介されるであろう、コンピュータによるさまざまな支援技術は、ここには一切関与せず、ホワイトボードや紙と鉛筆によるアナログな手法がすべてである。チームを相手にするコンサルタントや人材開発部門、ミーティングの進め方に悩むチームリーダーやマネージャには得るところの多い本となるだろう。技術者にとっては退屈な面も多いだろうが、顧客(や上司)との会議を今よりもマシに、あるいはあなたの日々の活動を生産的なものにする上で役立つ実践方法もいくつかある。

なお、「あなたが言葉」(決め付け、非難)を「私が言葉」(気付きや経験)に置き換える(第3章「レトロスペクティブのリード」)、というのは見識として興味深く、今後実践していこうと思う。本書の例:「お前がちゃんとやってれば目標を達成できたんだよ!」→「私が怒っているのは、目標を達成できなかったことだ。」