2007年10月21日
『Just Right!』
いまさらだけどジャストシステムの校正ツール『Just Right!』を購入。私の所属する会社では編集チームメンバーのほとんどが利用しており、手放せないの声が高い。Windowsユーザーで文章にたずさわっている人は必携。
本製品は、ATOKに代表される「正しい日本語」へのコンピュータ技術にこだわりを持つジャストシステムが製作した校正ツールである。校正というのは文章における誤字脱字、不適切な言い回し、表記揺れなどを直して読みやすく正しい文章に変換する作業で、私みたいな「編集者」の任務の半分以上はこれだ。また、著者・広報・翻訳など文筆にかかわる人にとっても品質の高い文章を作る上で校正は必須の作業と言える。
ただ、英語のスペルチェッカなどに比べると、日本語の校正支援ツールについてはあまりない。Microsoft Wordの提供する校正支援はそれなりに利用できるが、本格的な業務レベルで使えるかというと微妙である。
Just Right!の校正内容は、二重敬語、同音語、重ね言葉、呼応表現、慣用表現、表記揺れ、括弧の対応、文体統一、商標、スペルチェックなど詳細にわたり、それぞれのチェックの有効無効の設定ももちろん可能だ。追加の校正ルールとスペルチェックはユーザー辞書に登録することができ、用途に応じて辞書を切り替えられる。表示された校正に従ってその場で直すこともできるし、一覧を印刷することもできる。
実際にちょっと使ってみたところでは、デフォルトの設定はやや細かすぎるようだ。このあたりは有効無効を調整しながら自分に最適なものにさせていくということだろう。校正実行自体は速いが、各校正結果の移動の動作はやや重く感じる。校正、表記揺れ、括弧対応のそれぞれの結果はタブ化されているのは素晴しい(これらは確かに別個の作業なのだ)。
これ自体はスタンドアロンアプリケーションだが、WordやOutlook(Expressは駄目っぽいかな?)といったMicrosoft Officeのメニュー、あるいはInternet Explorerの入力フォームから内容をJust Right!に送る機能がセットアップされている。
英語のスペルチェッカも前述のとおり内蔵しているが、同僚の編集者はスペルチェッカについてはMicrosoft Wordを使い、『Just Right!』のスペルチェッカはオフにして日本語のみの検査に使っているということであった。
入力ファイルについてはテキスト(SJISまたはUTF-8)のほかにPDFをサポートしているが、PDFを変換したテキストはたとえPDF内では連続する段落行でも勝手に改行してしまうことがあるようだ。比較したところでは、Xpdfのpdftotextでテキスト化して日本語文字間で発生することがある余分なスペースを切り取るようなフィルタスクリプトで変換したほうが精度が良いことがわかった。
私のところでは、Internet Explorerを使いWebインターフェイスでPDFをファイルアップロード→フィルタでテキスト化→textarea領域にテキストを表示→「校正実行」でJust Right! を呼び出し、というちょっとしたCGIを作成して便利に使っている。
特筆すべきこととして、本製品のライセンスの寛容さがある。一般的な1人(法人の場合は従業員1名)あたり1台というほか、1人あたり同時に使用しないという条件で複数台、あるいは責任者の管理のもとで1台に複数人という使い方も許諾されている。その代わり、ネットワーク経由での実行は禁止されている(ただ、リモートデスクトップはその性質上これに該当しないと思われる)。Webサービスなどの内部で自社サービスのように使われないようにという保険だろう。
版を重ねて実績のあるソフトウェアである。何より、相手がJust Right!を使ってチェックするかもしれないと思うとうかうか気が抜けないので、編集プロダクションにはマストアイテムであることがわかった。まぁ日記くらいはJust Right!なしに気楽に書こう(笑)。
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