2007年05月20日

東京エリアDebian勉強会 (28回)

第28回5月勉強会に参加 (資料もこのURL先にあり)。事前課題出すの忘れてた。困ったこと、ねぇ……あまり費用回収できていないうちにSarge本の寿命が終了したとか(笑)?まぁ基礎技術はそれほど変わっているわけではないので、今でもそれなりに役立つと期待してますが。

15分ほど遅れて到着したら、けっこう人がいっぱい。なんかジャンケンしてる(DWN trivia quiz)。怪しい集団なので通報されそう。

次に上川さんからのpbuilder紹介「最近pbuilderってどうよ?」(Debian Conferenceリハーサル。でも日本語)。 qemu版はgitに入ってるけれども停滞してるみたい。競合のschrootが最近がんばってるのでpbuilderもがんばらないと、とのこと。そうそう、pbuilderのBuild-Dependsパース処理は確かにやや弱くて、仮想名なものがあるとそこでエラー終了してしまうことがある。こういうときにはなんとかしてくれるsbuild(builddで使っているツール)のほうが便利。

さて、上川さんの発表中、こちらはビデカンのテストをすべく、ekigaのセットアップに取り組んでいたのだけど、なぜかEDGE+So-net経由でそもそもサーバにログオンできない。STUN切ったりしてもだめ。先方の矢吹さんのほうではできるらしいので、サーバが死んでるわけではなさそうなんだけど…。
結局VMwareのMessenger Liveを起動して、矢吹さんにもインストールしてもらい、接続に成功。こちらの回線はEDGEフレックスチェンジ64kbpsで、実質32kbpsくらいといったところだろうか。映像は1分1枚くらいの更新にはなって同期もうまくできないけど、様子を伺うくらいには十分そうだし、画像自体はクリア。音声は十分な品質。ただ、カメラに付いているマイクでは1m離れた講師の声や会場の音を拾うにはだいぶ厳しい。ちゃんとした集音マイクをミキサー経由でLine-inに入れるとか、ヘッドセット付けて話してもらうとかしないと、ビデカンに使うには難しそうではある。様子伺いくらいにはいいかな。

続いて、やはりDebian Conferenceリハーサルとして岩松さんの「Debian on SuperH」。周囲のプレッシャーで英語での発表。これから相当練習しないと本番で大変そう…。 SHな製品はいくつかあるようなんだけど、メモリが少ないのがやはり気になる。せめて256MBはないと、大きいのをビルドするときにめげそう。ハコがあればハックしてみたい気もするけど、わざわざ買うだけのモチベーションはないかなぁ。将来的には正式サポートアーキテクチャを目指すらしい。「本気ですか」とは会場の後藤さんの弁。

小室さんの「サーバをエッチにしてみました」。リリースノートはちゃんと活用されているようですヨ>nori1君。「いろいろハマったけど、エッチのアップグレードはそんなに難しくない」が結論だそうで。あと3つアップグレードしないといけないマシンがあるんだよなぁ。

小室さんの発表内容に対して会場でツッコミをしたものからいくつか抜き出しておくと、

  • インストーラはCUIレベルだと違いがあまりわからないかも。ただ、デフォルトの質問が減ったり、再起動前/再起動後の2段階に分かれていたインストールステップが統一されて、再起動するとGNOMEデスクトップが上がって使える状態になってたり、といった気付きにくいけれどもユーザーに便利な改善が行われている。GUI、LVM自動構成なども改善ポイントではありますね。
  • debian-volatileは、sargeでの勝手連からDebian Projectの公式サブプロジェクトになったという程度で、インストーラで/etc/apt/sources.listに書いてくれるといったわけではない。lennyではやるのかなぁ…まだ何もそういうコードは入ってないんだけど。
  • Apache 2→Apache 2.2での2GB overサポートはDVDメディアの配信などをやりたいときにはメリットでかい(昔Apache 2でも2GB overサポートが当てられたことがあったんだけど、ABIぶっ壊してmod-*が全滅したためにrevertされたという経緯がある)。SSL証明書一発作成コマンドがなくなっちゃったのは痛いかも。
  • /etc/kernel-img.confのdo_bootloader=yesの確認はLILOを使っている場合のみで、GRUBの場合にはいらなかったと思う。GRUBの場合はpostinst_hookとpostrm_hookでupdate-grubを呼び出すようになっているはずなので、do_bootloaderの値に関わらずGRUB設定が行われる。まぁyesになっていてもliloパッケージが入っていないなら単にスルーされるかと。
  • update-grubのパス変更はハマリポイントだけど、Etchではそもそも絶対パス指定やめてるね。単に「postinst_hook = update-grub」「postrm_hook = update-grub」。
  • debconfのインターフェイスがなぜかGnomeになっているというのは、勘違いもあるかもしれないけど、バグでこうなることがあったような…。
  • tcsh-kanjiの依存問題(etchにはもうtcsh-kanjiがなく、tcsh-kanjiを排除/置換するようにtcshパッケージが設定されている。sargeのtcsh-kanjiはtcshの新しいバージョンに依存している)は、本来sargeのtcsh-kanjiで、tcshのバージョン上限を設定したものをr6に用意すべきだったかと思われる。
  • exim4がheavy→lightに置き換わったのはおそらく依存関係の黒魔術で、下位パッケージの更新時に内部的に一度exim4-daemon-heavyを取る→再度exim4を入れようとする→exim4-daemon-lightのほうが先行的に記述されているのでこっちを取る になっているのではないかと推測する。対策としては、この削除の前にまずexim4-daemon-heavyパッケージだけを入れてしまうのがよい。このテクニックはほかの大事なデーモン関係にも使える。
  • 署名検証失敗はapt-archive-keyringやaptパッケージの更新時に一応ちゃんと必要な準備ができるはず。これができないというのは何かロジックエラーがあるのかなぁ。あと、鍵を入れたあとは再度updateをかけないと(つまり再度Release.gpgの検証を行わないと)いつまでもverification errorが出る。

休憩の後、参加者の事前課題回答の紹介。いくつか感想とコメントを。

  • ARMのDMA問題は、DebianでもLinux upstreamでもその修正パッチはrejectされたらしい。後でメーリングリスト漁ってみるか…。
  • webmin、userminはJaldharががんばってたけど、バグの温床だったからなぁ…。初心者には一見使いやすくは見えるんだろうけど。APTがNTLM認証に対応していたのは知らなかった。もしかしてリダイレクトにも対応していたり?
  • Tecra8000でCorega CG-LAPCCTXDが見えないという、ビンテージモノをお持ちの方が。Tecraと言われるとpotato時代の人は「あーー」と思わず溜息が出るね! さて問題のこれは結構厄介で、昔はpcmciaドライバとpcmcia-csのユーザーデーモンが適当にやってくれたんだけど、Etchではカーネル+udevなのでかなりヤヤコシイことになっている。手元にあれば試行錯誤できるかなぁというところ。
  • xlockmoreは確かにstableにないな。RCバグがあったようだ。KDEやGNOMEのスクリーンセーバを使っていると気付かないね。とはいえコマンド一発でロックできるのは楽ではある。
  • udevがわからないという声多数。Gentooのドキュメントが一番いいかな。あとは手元のオクライリー原稿に少しあるんだけど。
  • non-USはsargeまでは空の状態で存在したけど、etch向けは完全に放棄されてる。
  • APTリポジトリ参照先が「stable」になってハマる問題は、Etchからは「etch」のようにコード名参照になったので大丈夫なはず。バージョンで指定できないの?という質問があったけど、一応可能だけど「Debian4.0r0」みたいにリビジョンが付いているのでアレだと思う。
  • GRUBのパス問題はNEWSファイルやリリースノートに書いてはあるんだけど、やはりハマリポイントか。
  • mzschemeのエラーはパッケージのバグ(古いslibとの不整合)。#347595、#351655か。一度purgeして再度インストールすると直りそうな感じ。
  • iceweasel(firefox)が重くなったのはしょうがないかも。こういうのは「軽くなる」ことのほうが珍しいし…。iceweaselのabout:configで何かできないか調査してみるのがよいかと。ただ該当スペックだと、もっと軽いブラウザを使うほうがよさそう。
  • 古いACPI対応マザーでのクラッシュの件。2.4ではACPIがオフなので顕在化しなかったとか?ACPIがないと困る(電源を落とせないなど)のであれば、acpi=パラメータはほかにもいくつか設定できるのでチャレンジしてみるとよいと思う。
  • インストール後再起動でWaiting for root file systemで「ときどき」固まる問題。ハードウェアRAIDなどで起きやすいが、要はドライバ組み込んだあとハードウェアが起きて返事を返すまでの時間が遅く、タイムアウトになっている。ブートパラメータで、rootdelay=9のようにタイムアウト秒数を伸ばすことができる。
  • snmpdでローカルホストのみのリスンに変わって、その設定が/etc/default/snmpdにこっそり書いてある件。NEWSにはあったんじゃないかなぁ…。ただdist-upgradeなんかだとNEWSが多すぎて誰も見ていないという可能性はあり。
  • ApacheのAddDefaultCharsetが/etc/apache2/conf.d/charsetでUTF-8になっていて、ほかのエンコーディングのページが化ける。AddDefaultCharsetを設定するのはもはやセキュリティポリシーなのでしょうがないかな。UTF-8なのはDebianのエンコーディングはUTF-8でいくぜという決意の表れ。まぁ真面目に考えるなら設定済みのコンテンツネゴシエーションを使い、エンコーディング名付きのファイル名にしましょう。/var/lock/apache2の権限がrootのままでDAVで書き込めないのはバグだろうか。確かにrootになってる。
  • mule-ucsが重い件。だからデフォルトがoff?
  • tracの移行が大変。野首さんがドキュメント残していた覚え。
  • UTF-8と言っているのは初期インストールの話なだけで、sargeでEUC-JPで使っていた環境をアップグレードしてもエンコーディングが勝手にUTF-8に変わって台無しになることはないはずだが…?/etc/environmentにもタッチしなかったと思うのだが、PAMの変更が関係してるのかね。
  • apt-setupが削除されたのは仕様。元々インストーラ2nd stageをサポートするbase-configの一環のモノという役割だったし、バギーだったし、戻ることはもうないでしょう。GUIであればsynapticやAdeptにリポジトリ管理能力がある。aptitudeにあったかなぁと思ったけどないね。CUI向けはnanoとかviとかしかないようだ。
  • 日本独自のバグ報告管理を用意できるか、ナレッジをどうまとめるかの検討。ナレッジベースは、メーリングリストや2chでの質問あるいは自己調査→回答・記事がメーリングリスト、blog、2chなどに→メーリングリストアーカイブ、Debianスレッドテンプレからリンク→googleで検索してヒット というように回っているので、スレッドテンプレがかなり重要な役割、という結論に。保守している方々に感謝。ただ一部不正確があるので…とはHenrichさんの弁。独自バグ報告管理は、導入自体はできるだろうけれども、ユーザーからの曖昧模糊な情報から回答あるいはDebian BTSへの英訳送出というのは大変そうではある。ウィザード/エキスパートシステムを使い、質問回答を進めていくと必要な情報が収集できて問題解決、せめて解決の役立ちくらいができるものができるといいかな。これも構築は簡単ではないが。

new comerも多く、なかなか盛況な会であった。またそのうち気が向いたら遊びに行こう。