2006年01月04日
『レボリューション・イン・ザ・バレー』
Macintoshという機械――コンピュータ、OS、あるいは思想・哲学・宗教いずれでもよいがご存じだろうか。Yes?よろしい、ならば本書をまずは手にとって開いてみよう。Macintoshやその他のApple製品に一度でも憧れたことはあるだろうか。あるいはすでに愛用しているだろうか。それともMacintoshあるいはApple社を嫌いで嫌いでしょうがなくてアンチ巨人ファンのような心境をお持ちだろうか。Yes?すばらしい、きっと本書を楽しめるはずだ。
Steve Jobs、Steve Wozniak、Bill Gatesという名前を知っているだろうか。Yes?なら、本書をさらに2倍楽しめる。さらに進んでAndy Hertzfeld(本書著者)、Bill Atkinsonといった名前はどうだろう。知っている?すごい、本書をそこからさらに2倍、計4倍楽しめるに違いない。
秘話、裏話、ゴシップ、政治的暗躍といった類に目がないだろうか。Yes?本書はまさに打ってつけ、5倍楽しめるだろう。Macintoshのインサイド、技術的側面、そして古の魔術に関心があるだろうか。おっと、これもYes?本書は偉大な黒魔術書でもある。常人の8倍は楽しめること間違いなしだ。
美しい装丁、巧妙な紙面の配置やデザインに関心があるだろうか。Yes?うむ、本書はデザインセンスもオライリーらしからぬ(失礼)一級品だ。表紙の赤は著者の感想と同じくあまりイケてるとは言えないが、そんなときにはカバーを外してしまえばあら不思議…おっと、ここは実際に見てからね。これをコジャレた本棚にディスプレイすれば10倍は悦に入ることができる。
ということで、本書は、初代Macintosh(ハードもOSも)の製作ストーリーを開発者の1人Andy Hertzfeldがエッセイ形式で綴ったものだ(原文はWeb記事で、FOLKLOREサイトから見ることができる)。挑戦的なプロジェクトの例に漏れず、Macintoshの開発も平坦なものではなく、開発チームは、さまざまな困難――無理解、衝突、政治的思惑も含む――と戦った。完全なハッピーエンドではないが、少なくとも彼らは偉業を成し遂げた。暴君であり芸術家であるSteve Jobsがいなければ、MacintoshがMacintoshとして市場に出ることはなかっただろう。一度は追い出されたSteveが復帰して数年、iPodなどの大ヒットによってApple社が今再び隆盛を極めんとしている理由は、本書を読むことで掴めるに違いない。
ちなみに、Windows NT開発を描いた『闘うプログラマー』もおもしろいよ。おすすめ。
![[hatena]](http://d.hatena.ne.jp/images/b_entry_de.gif)

![[RSS]](/d/rss10.png)
Debian GNU/Linux徹底入門 Sarge対応
Debian辞典